仕様
- ●プラズマアーク EPB-200シリーズは、コストパフォー マンスに優れ、非常に安価。
- ●ニーズに合わせ出力・風量・放電のさせ方を変える事が可能
- ●大気中に於いて発生させたプラズマ放電をエアーで送り、ワークに当てる事により表面改質をします。
- ●素材内部に変化を与えず表層のみが改質でき、又、素材の機械的強度・電気的特性を維持します。
- ●立体的な素材に対しても処理ができ、数秒で処理効果が得られます。
- ●高周波タイプは処理表面にダメージを与えずに濡れ性向上。
- ●装置の重量が軽く、容量は小さくコンパクトです。
- ●トランス式は高出力で、効率的に処理が可能で、熱量を気にする事なく出来ます。
- ●大気中処理の為、インライン処理が可能です。
市場ニーズ
プラスチック射出、押出成型品等の製造工程に於いて必要とされる接着・塗装・マーキング・コーティング等では、素材表面の特性に左右され易く、高分子材料や金属等は、表面エネルギーが低い為、付着力が低く、前処理が必要になります。
前処理の方法として一般的なものは、真空プラズマ・コロナ放電・サンドブラスト・薬品処理・フレーム処理がありますが、どれもイニシャルコストが膨大にかかり、又作業環境が良くないものもあり、改善してゆく傾向がございます。
対象素材
PE-PP等すべての樹脂素材・アルミニューム・ステンレス・銅・真鍮等金属類・ゴム・ガラス・紙等の濡れ性の改善による接着性、印刷生、ラミネート性、コーティング性の改善。
放電寸法と処理
放電寸法 | ||
処理幅 | 条件: PEフィルムに対して1秒照射 測定方法: 濡れ指数標準液 (和光純薬工業)40dyne |
他の処理法
- ●フレーム処理
ガスバーナーによる処理法で、ガスと空気の圧力をよく調整し、酸化炭により処理します。温度が310℃以下でないと処理効果がないと言われます。 - ●薬品による処理
この方法は、任意の処理効果を得る事が比較的容易です。しかし、安全性及び設備投資に問題があります。
プラズマアークによる処理
プラズマアークによる、ぬれ指数の改善には、物理的・化学的変化が考えられます。化学的変化に付いては、アーク中に含まれるオゾンによる表面酸化作用(これはフレーム処理の酸化炎と同じ効果)又、物理的変化に付いては、空気によって押し出されたプラズマが、ワークにあたった時に出来るクレーター(ミクロン単位)と考えられます。
時間と表面改
- ●最も効果のある方法は、成型直後に表面改質(プラズマ照射)を行い、印刷又は、接着を完了する事です。
- ●成型後の時間
成型後、時間が経過すると、内部に含まれた添加物が表面に出てきます。
これが処理効果を下げる為、表面改質にかかる電力が大きく必要になります。 - ●処理後の経時変化
プラズマ照射後時間を経過して印刷又は接着等を行う場合、経時変化に より濡れ性が低下する場合があります。
これは、材質及び含まれる添加剤によって異なりますが、一般的に40ダイン(Dyne)未満のものはプラズマ照射 効果 が発揮出来ません。
※ダイン(Dyne)濡れ性を表す単位よって、本来素材がもっている濡れ性と処理後の数値、経時変化を考慮して次工程 を行う必要があります。
上記の事により一番効果的である作業方法としてはインライン処理が望 ましいです。
処理効果数値
素材 | 未処理(dyne) | 処理後(dyne) |
---|---|---|
ポリプロピレン(PP) | 31 | 66 |
ポリカーボーネート | 34 | 70 |
アクリル | 38 | 70 |
ガラス | 36 | 66 |
セラミックス | 40 | 54 |
アルミニューム | 34 | 70 |
ステンレス | 32 | 70 |
※上記データはあくまで参考資料です。同じ素材であっても離型剤等の違いにより、素材自体の濡れ性や 処理効果に違いが出る場合があります。その為、対象ワークにて実際のデータを取る十分なテストが必要です。
処理効果数値
処理前 | 処理後 | |
---|---|---|
P.P.材 | ||
ペット材 |